温泉地区

上:女帝アウグスタ浴場のドーム型ホール、1895 年 上:温泉地区概要、地図 1902/1903 年

ドイツ帝国に賭博禁止令が施行された1872 年、バーデンバーデンは、都市として、新たな地位を確立しました。

国際的なレジャー浴場であった都市は、療養、保養のための温泉地に変わりました。19 世紀後半、温泉源の周辺には、温泉地区が確立されました。ここには、最新の療養設備を備えた、豪華な浴場が、次々に建てられました。その中心的存在だったのが、1877 年に開設されたフリードリヒ浴場 です。世界的に有名な作家、マーク・トウェイン(Mark Twain)も、この地を訪れ、この地にある全ての浴場に体験するべき価値があると記しています。

1890 年から 1893 年にかけて、そのすぐ隣に建てられた公営施設、女帝オウグスタ浴場 は、女性専用の浴場として考案されたものです。フリードリヒ浴場をしのぐ、大理石とファイアンス陶器の豪華な装飾が、特徴です。

豪華な浴場とは反対に、1890 年に開設されたランデス浴場 は、療養設備に制限はあるものの、様々な層の人々に開放された、市民のための浴場として、利用されていました。1899 年、ランデス浴場(現 ACURA リューマチセンター)横には、呼吸器系疾患の療養施設 インハラトリウム が設立されました。現在、この場所には、カラカラ浴場が存在しています。中世のシュピタル教会 には、1930 年にファンゴハウスが設立され、総合的な温泉療養設備を揃えた温泉地区が完成しました。

1960 年代、旧温泉地区を現在の緑豊かな療養地区へと改装する際、大部分の歴史的建造物が、撤去されました。その犠牲となったのが、女帝オウグスタ浴場、ファンゴハウス、インハラトリウム、シュピタル教会の一部です。

シュタインシュトラッセから見た女帝アウグスタ浴場、 左はフリードリヒ浴場、1910 年; インハラトリウム外観、1906 年

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